拝啓
厳しい寒さが続く今日この頃、お変わりなくお過ごしでしょうか。
熊本県八代地区で『塩トマト』を生産しております、JAやつしろ選果場利用組合高糖度部会と申します。
2002年に当部会を結成したきっかけは、八代管内の中で塩分濃度が高い一部地域にしかできない『塩トマト』の味と品質を守りたいと思ったからです。親から子へ、子から孫へ『塩トマト』の栽培技術が受け継がれており、現在は10名の生産者で栽培を行っております。
長年培われた特別の生産方法や気候・風土・土壌などの生産地の特性により、高い品質や評価を獲得するに至った産品が日本には数多く存在しています。その一つとして八代の特産品『塩トマト』が2022年度にGI(地理的表示)登録されました。多くの方に八代の魅力がつまった特産品を届けるべく、今後も生産に励んでいきます。
『塩トマト』は、まだ世の中に知れ渡っていなかった頃は「塩害トマト」と呼ばれ、市場には出荷せず生産者側で消費していました。ですが、食べてみると濃縮されたコクと歯ごたえがあり、その評判が全国に波及しました。見た目は小さいですが、甘さは抜群です!
『塩トマト』のコクと歯ごたえは、八代海を干拓して得た産物です。ミネラルが豊富な土壌で育つことで、トマトに旨味成分が濃縮されます。コクを生み出している要素として、塩害の影響が挙げられます。塩により水の浸透性が阻害され、大きくならない分、果肉の密度が高くなります。塩と水のバランスをとるのは非常に難しく、トマトにストレス(水やりを減らす)を与えると、根が地下まで成長してしまい、余計な塩分を吸収してしまいます。そのために、畝の高さを高めにするなど『塩トマト』ならではの農法で工夫を凝らして栽培しています。このように塩分濃度の高い干拓地で栽培するには、一般のトマト栽培とは異なる技術が必要になります。樹を育てるのには苦労しますが、その分ミネラルを多く含んだコクのある『塩トマト』となっています。
収穫にもこだわりがあり、早朝に収穫して速やかに選別をしてます。早朝に収穫することで実が引き締まり、鮮度が保持されます。選別をする際にも糖度センサーを使用して、『塩トマト』に相応しい物だけを選んでいます。トマトの糖度は通常平均5度ですが、『塩トマト』は8度以上と基準を設けて出荷しています。
今年度は定植時期である8月下旬ごろは安定した気候に恵まれましたが、猛暑の影響もあり、例年よりも栽培の苦労が絶えませんでしたが、樹は順調に育っております!
『塩トマト』は限られた土地でしか生産できない自然の恵みがいっぱい詰まったトマトです。是非、手にとって味わっていただき、感想等を頂けましたら幸いです。
敬具
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