有明海と雲仙岳にはさまれた、島原半島の南の端まで行きました。
そこは坂道の多い場所で、斜面に沿って小さな畑が並んでいます。
ここで育てられているのは、とても味が濃いトマトです。
畑の土は、粘土が混ざった重たい質をしています。
この土の力を活かして、農薬や化学肥料は基準の半分より少なく抑えて育てているそうです。
トマトをよく見ると、実の表面に「ベースグリーン」という緑色の模様が見えました。
水をあげる量を少なくすると、実は自分に栄養を送るために、葉っぱだけでなく実でも光合成をしようとします。
そのときに葉緑素が現れるのが、この緑色の印なのだと教えてもらいました。
これが、糖度がしっかりと乗った証拠になります。
このトマトは病気に弱いため、育てるには毎日の細かな世話が欠かせません。
水やりも、その時々の状態を見て、こまめに調整しているそうです。
粘土質の重たい土と向き合いながら、丁寧に管理されていました。
生産者の方は、「味を一番大切にして、毎年工夫しながら育てています。ぜひ一度食べてみてください」と話してくれました。
えぐみが少なくて、甘さと酸っぱさのバランスがちょうどよい。
そんな濃厚な味わいのトマトが、この丘の上の畑で静かに育っていました。

