瀬戸内海に面した温暖な土地、愛媛県西条市。
茎が傾倒するとき、もみじたまねぎは収穫の時を迎える。
「瀬戸内海側では頻繁に雨が降り、山陸側では乾燥が続く。
その中間にある旧小松町は、天候に左右されにくい恵まれた土地。
安定した気候が、もみじたまねぎを育てるにはちょうどいいんです。」
タマネギ部 部会長の戸田さんは優しい笑顔でこう語った。
ほとんどのタマネギ農家は、秋から初夏にかけてたまねぎ栽培をおこない、その後、稲作を手がけている。
「稲を作ったあとの畑は、余分な養分が少なく、連作障害がおきにくい。土地に伝わる二毛作が、甘くて美味しいもみじたまねぎを作るんだ。」
もみじたまねぎを育てる過程で、一番苦労するのは、球(たま)が急速に大きくなる4~5月にかけて。
「葉っぱで吸収された養分が球に結集するこの時期は、たまねぎ農家にとって一番大事。
毎日1本1本、葉っぱに菌が付着していないかどうか確認するんだ。1本でも菌がついていると繁殖が進み、畑全体のたまねぎが小さくなってしまうからね。」
愛情たっぷりに成長を見守られて育ったもみじたまねぎは、大きな球をつける。
茎が傾倒し始めた5月中旬。愛情を込めて育ったたまねぎは、収穫の時を迎える。
茎の太さと耳たぶの大きさが同じくらいになったら、球に栄養が充分行き届いている証拠。
雨の多いこの時期は収穫の日取りも重要。球の大きさと天候を見極めて、たまねぎが一番美味しい時に収穫をおこなうのだそう。
1本1本、丁寧におこなわれる収穫作業。
手作業で根っこを裁断し、茎を5㎝程残して風通しの良いハウスで乾燥させたら選果場で運ばれる。
「もみじたまねぎは、辛味が少なく甘い味わいが魅力。
収穫の時期は、母ちゃんにオニオンサラダやカレーを作ってもらって家族で祝うんだ。」
と満面の笑みで語る戸田さん。
大きな球に育つまで、1日たりとも気を抜かない生産者の温かい愛情があるからこそ、甘くて美味しい もみじたまねぎ が生まれる。
愛情のこもった甘いたまねぎ。美味しく頂きます。
今日は、1日ありがとうございました。