北海道の北東部にある北見地区。北見と言えば、玉ねぎ、ハッカ、焼肉、最近ではカーリングでしょうか。

北見は言わずと知れた日本一の玉ねぎ産地です。雨が少なくて寒暖差の大きい気候が玉ねぎ栽培に適しており、北見市が町を挙げて玉ねぎ生産に力を入れたことで日本一の生産量を維持しています。

今回はそんな玉ねぎのまち北見で“幻の玉ねぎ”を作っている、北見生産出荷組合を訪問しました。

“幻の玉ねぎ”の名前は「北見黄玉ねぎ」といいます。
明治時代に札幌の開拓使の方がアメリカから持ってきた品種を起源とする、いわゆる在来種と呼ばれるものです。北海道では40年ほど前からF1種と呼ばれる人為的に交配させた、病気に強い品種が栽培の中心となり、病気に弱く栽培が難しい「北見黄玉ねぎ」は徐々に減っていきました。そんな中、絶滅寸前の「北見黄玉ねぎ」を復活させたのが北見生産出荷組合のみなさんです。

絶滅寸前のわずかに残っていた種を農家さんから譲り受け、自分たちで育てながら増やしています。
種を育てているハウスを見せていただきました。種専用のハウスを建て、いわゆるネギ坊主と言われる花から種を採種していきます。
幻とまで言われる「北見黄玉ねぎ」の種を育て、復活させた第一人者、青山さんにお話をうかがいました。

「種を育てるだけでも結構気を使うんですよ。天気の変化に気をつけながら手作業で管理しています。」真っ黒に日焼けした青山さんは笑いながら教えてくれました。
「栽培が難しくて敬遠されていた「北見黄玉ねぎ」ですが、とにかく美味しいんです。こんな美味しい玉ねぎを作らないのはもったいない!と、協力していただける農家さんを1軒1軒探してきました。」
青山さんが設ける条件はとても厳しく、最低でも1年以上かけてしっかりと審査をして栽培を依頼するか決定します。
栽培技術に優れているだけでなく、北見黄玉ねぎを栽培して販売する意識を高く持っていると判断した方だけに栽培を依頼しています。

農家さんが持っている畑の中で、日当たり、風通し、水はけなど一番条件が良い環境の畑を「北見黄玉ねぎ」の栽培にあてています。
「一番良い畑で、私たちが指定した肥料を使って土づくりをしていただいています。」「もともと栽培技術が高い上にこのようなご協力をいただいているため、「北見黄玉ねぎ」は品質や収穫量が毎年安定しています。」

「「北見黄玉ねぎ」はとても栽培が難しい品種です。それでも弱音一つ吐かず、プライドを持って作っていただいている農家さんたちには感謝と尊敬の念でいっぱいです。」「みなさん作るだけでなく、食べていただくお客様がどう感じるかを考えながら日々作業しています。特に奥さま方の意識が高くてしっかりしているのが私たち組合の特徴ですね。」

収穫された「北見黄玉ねぎ」は乾燥させてから順次箱詰め、出荷されます。
青山さんをはじめとする組合員のみなさんが生産から出荷までしっかり管理することで、
私たちの食卓に美味しい「北見黄玉ねぎ」が届きます。

「やっぱり美味しい玉ねぎをたくさん食べてほしいですから、ここまでこだわることができるのだと思いますよ。」
青山さんは真剣な眼差しで語ってくれました。
「まずは食べてみてほしいです。違いがわかると思います。加熱すると甘みがグッと増すので、輪切りにしてソテーにしたり、コロッケにするのがおすすめです。」
サラダにしても苦味やえぐみが少ないのでたくさん食べられるとのこと。

今回は北見生産出荷組合のみなさまの熱~い想いと、北見の雄大な大地、涼しい気候にとても癒されました。
幻の玉ねぎを復活させてくれて本当にありがとうございます!


野菜の味にこだわる

はだのふぁーむ
ロメインレタス

鮮やかな若葉。

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熟成の時。

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もみじ玉ねぎ

深い根づき。

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